定期検診の重要性

 みなさん、最後に歯科医院で定期検診を受けたのはいつでしょうか。

別に痛いところは無いし、生活に支障も出ていないし、ブラッシングは自分でできるからわざわざ定期受診しなくても問題ないと思っていませんか?

もちろん、ご自身で行う毎日のブラッシングが歯周病や虫歯の予防につながるのですが、現在、1989年(平成元年)から厚生労働省と歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動において日本人の達成率は51.2%(2017年発表)です。

 毎日ブラッシングをしているのになぜ虫歯や歯周病にかかり、歯を失うことになるのか。それはセルフケアの正しい方法を知らないことや鏡でも見えにくい部位に汚れが残っているなどの原因が考えられます。

 今回はお口の中の汚れである歯垢(プラーク)と歯石の違いや定期検診の重要性についてお話したいと思います。

・歯垢(プラーク)と歯石の違い

 歯垢とは歯に付着した白っぽいネバネバしたもので、食べかすとは違いお口の中にいる歯周病菌や虫歯菌の塊です。細菌はお互いに寄り集まってバイオフィルムというものを形成し歯から剥がれないようにくっつきます。歯石はこのプラークが日数を経て石灰化し硬くなってしまったものです。これらを放置することで、歯茎が腫れたり出血をしたり、重症化してくると顎の骨が溶けてしまい、歯周病をどんどん進行させてしまうことになります。

そのため、毎日のブラッシングで歯石になる前のつき始めた歯垢をしっかりと除去することが重要なのです。

しかし、お口の中には歯と歯の隙間や歯茎の中などどうしても歯ブラシの毛先が届きにくい場所が存在します。そういったところに残された歯垢は知らず知らずのうちに歯茎の上の見えるところにつく縁上歯石と歯茎の中の見えないところにつく縁下歯石となり、歯周病の進行を助長することになります。縁上歯石は自分で無理に除去しようするとお口の中を傷つけてしまったり、縁下歯石は専用の器具を使用しないと除去できないため、歯科医院での除去をお勧めします。

・定期検診

 定期検診では歯垢や溜まった歯石を除去することはもちろん、レントゲン写真検査、歯周ポケット診査を行い、現在の歯周病の進行度合いや虫歯の有無をチェックします。また、磨き残しのある部位を一緒に確認し、歯ブラシや清掃補助用具を用いた上手なセルフケアの方法を知っていただきます。

お口の中は十人十色。一人一人全く違う歯並びで磨きにくい部位も全く違います。今年は平成最後の年です。綺麗なお口になってすっきりとした気持ちで新年を迎えませんか?

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